みどりとか徒然

最近楽しいみどりの世話などを徒然と。

ある男

たまには本の話。

 

最近、ちょっとある過去雑誌を見たいがために、amazonの読み放題サービス、kindle unlimited の会員になり、それをきっかけに前から気になっていた平野啓一郎の『ある男』を読んだ。

物語としても非常に面白くて一気に読んだけど、同世代の、同じライフステージに立つ作家さん特有の視点への共感具合がすごかった。

作家は自分を切り売りするもの…あまりポジティブでない言い方だとそうなるけれど、特に普段の生活での何気ない不安、違和感、喜び、悲しみはそれを感じた事のある人にしか表現出来ないはずで、同年代の主人公の気持ち、不安などは作家さん本人が感じた事のある感覚なのだろう。

正確なくだりは忘れたが、特に、「ふと気がつくと、昔のように自分がこれからどう生きたいかという意味で悩んでいるのではなく、どう死ねるのか、という意味で悩んでいるのだ」という部分はハッとさせられたのだ…